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キッチンに吊戸棚は必要?メリット・デメリットや後悔しないためのチェックポイントをご紹介
キッチンの収納スペースを増やす方法の1つに、吊戸棚の設置があります。吊戸棚とは、壁の上部や天井に直接取り付ける収納棚のこと。キッチンではシンクや作業台の上に設置するため、空間を有効活用しながら収納スペースを増やせると人気です。
しかし一方で、「あまり活用していない」「一度収納したきりあまり開けた記憶がない」という声もあるため、設置すべきか迷う人も少なくありません。
今回はキッチンに吊戸棚を設置するメリットやデメリット、後悔しないために設置前にチェックしたいポイントを解説します。
吊戸棚が必要かどうかは家族構成やライフスタイルで変わる

吊戸棚が必要かどうかは、収納するものの量に加え、それぞれの家庭のライフスタイルや家族構成、調理環境などによります。
例えば、調理道具があまり多くない家庭や、他に十分な収納ペースを確保できる家庭であれば、吊戸棚を設置しなくてもすっきりとしたキッチンを保てるでしょう。一方で、料理が趣味で調理道具や調味料のストックが大量にある場合や、パントリーやキャビネットなど、キッチンに備え付けの収納が少ない場合は、吊戸棚を設置したほうが利便性は上がります。
吊戸棚を設置すべきかどうかは、今現在の収納スペースでは足りていないのか、どれくらいのものを収納する必要があるのかを見極めて判断することが大切です。
吊戸棚を設置するメリット

吊戸棚を設置するメリットは、大きく分けて以下の3つです。
収納量が増える
吊戸棚を設置する最大のメリットは、何と言っても収納スペースが増えることにあります。特に重箱や寿司桶といったかさばるキッチンアイテム、使用頻度が低い季節用品などの収納場所に適しています。
収納スペースが増えることでキッチン周辺がすっきりと整理され、快適に料理できるようになります。
デッドスペースを有効活用できる
吊戸棚は、キッチン上部のデッドスペースを活用して設置されるため、キッチンの空間を無駄なく使えます。
床など低い位置に置く収納とは違って、作業動線を邪魔しないのもメリットです。
子どもにとって危険なものをしまっておける
吊戸棚があれば、包丁やキッチンバサミなど、危険な調理器具を子どもの手の届かない場所に保管できるため、家庭内での事故を未然に防ぐことが可能です。
また、ペットを飼っている家庭では、吊戸棚にペットのえさやおやつを収納しておくことで、外出中に部屋の中を荒らされるリスクも減らせます。
吊戸棚を設置するデメリット

吊戸棚は、収納量を増やせる一方、いくつかのデメリットもあります。
圧迫感が出る
吊戸棚を設置するデメリットの1つは、キッチン空間に圧迫感を与えてしまうことです。
特に対面式キッチンの場合、吊戸棚があることで間仕切りを作ったような状態になるため、開放感が損なわれます。吊戸棚によって光が遮られるとキッチンが暗く感じられることもあります。
また、背の高い人にとっては圧迫感が強くなるので、日常的なキッチン作業を煩わしく感じてしまう可能性があります。
掃除の手間が増える

吊戸棚を設置することで、掃除の手間が増える点もデメリットの1つです。
特に、棚の上部はほこりが溜まりやすいため、こまめに掃除しなければなりません。しかし、吊戸棚の上部を掃除するためには脚立などを使用する必要があり、掃除自体が面倒に感じられるケースも少なくありません。
また、吊戸棚の内部をきれいにしようとすると、調理道具を外に運び出して掃除する必要があります。
収納の奥まで手が届きにくい
吊戸棚は収納スペースを増やせる反面、収納の奥まで手が届きにくいというデメリットがあります。
奥行きの深い棚を設置した場合は中のものを取り出すのが困難になったり、身長の低い人の場合は奥のものが取り出しにくかったりして、しまいっぱなしにしてしまうことも考えられます。
また、手が届きにくいために背伸びして取り出そうとすると、物が落下して怪我をするリスクもあります。特に高齢者のいる家庭の場合は、安全性も考慮して吊戸棚を設置するか検討することが重要です。
吊戸棚にも種類がある

メリットやデメリットを考慮して吊戸棚の設置を決めたのち、次に検討しなければならないのが吊戸棚の種類です。
吊戸棚にはさまざまな種類があり、収納するものの量や使用する人のライフスタイルなど、それぞれのニーズに合わせて選択する必要があります。ここでは、吊戸棚のサイズの選び方と、人気の高い昇降式吊戸棚について解説します。
吊戸棚はサイズを選べる

吊戸棚には複数のサイズバリエーションがあり、設置場所に合わせて選べるようになっています。
市販の吊戸棚やメーカー品の吊戸棚の場合は、「規格サイズ」としてある程度寸法が決まっています。奥行は30~40cm程度、高さは50~90cm程度で展開されていることが多いため、あらかじめ自宅のキッチンの寸法を測ってシミュレーションしてみるといいでしょう。
サイズの大きい吊戸棚を設置すれば収納力はアップしますが、作業の邪魔になる可能性もあるため注意が必要です。
規格サイズの吊戸棚では合わない場合は、小さいサイズの吊戸棚を複数組み合わせるか、オーダーメイドという選択肢もあります。
昇降式の吊戸棚も人気
手の届きにくい高さに吊戸棚を設置するなら、必要な時だけ降ろして使える昇降式がおすすめです。
昇降式の吊戸棚は、出し入れするときに手元まで簡単に降ろせる使い勝手の良さが魅力です。ボタンひとつで自動昇降できるタイプや、棚の下部分が水きり網になっているタイプ、半透明ガラス扉のタイプなどバリエーションも豊富。ショールームなどで比較して選ぶことをおすすめします。
吊戸棚をつくるべきか判断するポイント

吊戸棚の設置を検討する場合、以下で紹介する3つのポイントを確認するといいでしょう。
吊戸棚以外の収納スペースは十分にあるか
まず確認すべきは、現在のキッチンにどれほど収納スペースがあるかということです。
食器棚やパントリー、キャビネットなど、既に吊戸棚以外にも十分な収納スペースがある場合は、吊戸棚を新たに設置する必要はないかもしれません。
今ある収納だけで十分な収納量を確保できない場合は、設置を検討しましょう。
調理器具や道具がどれくらいあるか

キッチンで使用する調理器具や食器の量も、吊戸棚の必要性を判断する重要なポイントです。
調理道具や食器、調味料など、日々の生活の中で知らず知らずのうちに増えてしまうアイテムの代表例。それらを一度整理してみましょう。使わないものを処分してもまだ収納スペースが足りていないようなら、吊戸棚設置の検討を。
一方、物を整理したことで、既存の収納スペースに十分収まるような場合は、吊戸棚の設置は見送ってもいいでしょう。
生活スタイルに合うか

収納量の問題だけでなく、吊戸棚が自身の生活スタイルに合っているかを考えることも重要です。
例えば、自宅のキッチンが対面式で、家族との会話を楽しんだり子どもの様子を見守ったりしながら作業をしたいという場合は、吊戸棚が邪魔になってしまう可能性があります。この場合は吊戸棚を設置しない方が、理想の生活スタイルを維持しやすいでしょう。
一方で、集中して料理するのが好きな人や、リビングからキッチンの中があまり見えないようにしたい場合は、吊戸棚の設置を検討してもいいでしょう。
まとめ

吊戸棚を設置することで、キッチンの収納力をアップさせ、散らかりやすい調理器具や食器などをすっきりとしまっておけるようになります。
しかし一方で、理想とするライフスタイルや既存の収納スペースの活用状況によっては、吊戸棚を設置しない方がいい場合もあります。
アクティホームでは、キッチンのリフォームに精通した専門家が、お客様に最適なリフォームプランをご提案いたします。吊戸棚を設置すべきか迷っている方のご相談も大歓迎ですので、ぜひお気軽にお問い合わせください。
――――――
監修者:大島 秀介(おおしま しゅうすけ)
一級建築士・リフォーム設計専門家
株式会社アクティホーム 管理建築士
大阪工業大学建築学科を卒業し、一級建築士として数多くのプロジェクトを手掛ける。自身の建築設計事務所経営を経て、アクティホームに入社。住宅改修やリノベーションの専門知識を活かし、お客様一人ひとりのライフスタイルに合わせた住空間の提案を得意とします。環境や将来の見通しを考慮し、120%の提案でご満足いただけるよう心がけています。
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