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マンションの狭いキッチンが劇的変化!収納・レイアウトのリフォーム術15選
「調理家電を置くスペースがない」「作業台が狭くて調理しにくい」など、マンションの狭いキッチンに不満を感じる方も多いのではないでしょうか。
しかし、ちょっとした工夫やアイデアで、狭いキッチンでも快適に作業ができるキッチンに変えることが可能です。
この記事では、マンションの狭いキッチンをリフォームで劇的に変える15のアイデアを、収納・レイアウト・設備・インテリアの4つの側面からご紹介します。
狭いキッチンにお悩みの方や、使いやすいキッチンづくりのヒントをお探しの方は、ぜひ参考にしてください。
マンションの狭いキッチン、4つの問題点とは?
まずは、マンションの狭いキッチンに関する悩みについて具体的な内容をチェックしてみましょう。
ここでは、よくある4つの問題点を紹介します。
収納スペースが足りない
マンションは一般的に、戸建て住宅に比べて部屋の広さが約半分といわれています。限られたスペースを有効活用するため、無駄のない間取りが採用されています。そのため、戸建て住宅に比べて備え付けの収納が少ない傾向があり、特にキッチンは必要最低限の収納しか設置されていないことが多いようです。(ただし、高価格帯のマンションなどでは十分な収納スペースが確保されている場合もあります)。
キッチンには、調理家電、食器、食品、日用品など、さまざまな物を収納する必要があります。さらに、家族構成の変化や子供の成長などに伴い、物は増えていく傾向にあるため、元々スペースが限られているキッチンでは、「収納スペースが足りない」という問題に直面しやすくなります。
動線が悪く作業がはかどらない
マンションのキッチンは、間取りの制約からコンパクトに設計されているため、調理や後片付けの際の動線が悪くなりがちです。特に、冷蔵庫、調理スペース、シンク間の移動が窮屈に感じられるケースは少なくありません。
中でも個室型のキッチンでは、食器棚などを設置すると作業に使えるスペースが狭くなってしまうことがあります。その結果、「家族とすれ違えない」「キッチンの引き出しを最後まで引き出せない」といった問題が発生し、キッチンでの作業が大きなストレスにつながる可能性があります。
圧迫感がある
マンションでは、リビングや個室への開口部(窓や出入り口)の設置が優先される傾向にあります。そのため、角部屋などを除き、キッチンに窓がないケースがほとんどです。結果として、キッチン内の明るさを確保するには照明器具に頼らざるを得ず、特に狭いキッチンでは暗さや閉塞感を感じやすくなります。
さらに、家具や調理家電の配置によっては、キッチン内の圧迫感を増すことがあり、より窮屈さを感じさせる原因に。物に囲まれた圧迫感のあるキッチンは、作業効率を低下させるだけでなく、地震や火災などの災害発生時のリスクも高めます。例えば、避難経路が塞がれたり、物が落下して怪我をする危険性が増したりする可能性があります。
調理家電を置くスペースが足りない
マンションの狭いキッチンでは、調理家電を置くためのスペースが不足しがちです。
キッチンで使用する調理家電は、電子レンジ、炊飯器、オーブントースター、コーヒーメーカーなど多岐に渡ります。近年では、大型の電気調理鍋などを導入する家庭も増えているため、さらにスペースの確保が難しくなっています。
すべての調理家電をキッチンに置くのが難しい場合、使用するたびに収納棚から出し入れしたり、一部の家電をダイニングなどに置いたりしている方もいるかもしれません。
狭いキッチンのリフォームアイデア【収納編】
まずは、マンションの限られたキッチンスペースを最大限に活用するための収納アイデアを、以下5つの内容で紹介します。
・造作棚やニッチの設置で空間を有効活用
・システムキッチンの多機能キャビネットで無駄なく収納
・吊り戸棚の高さを調整して収納力アップ
・小物収納に便利なマグネットウォールを採用
・空間を圧迫しない床下収納を設置
造作棚やニッチの設置で空間を有効活用
マンションの狭いキッチンで空間を有効活用するには、デッドスペースになりやすい壁面を活用した造作棚やニッチ収納の設置が効果的です。
造作棚は、キッチンの間取りや収納したい物に合わせてサイズや形状を自由にカスタマイズできるため、無駄なスペースをなくし、収納力を格段に向上させられます。既製品の棚では難しいスキマ収納や、機能性とデザイン性を両立したオープンシェルフ、天井まである背の高い棚など、空間を最大限活用するこだわりの収納計画が可能です。
また、ニッチは壁に埋め込んで設置する収納のため、空間を圧迫することなく、小物や調味料などを収納する便利なスペースとして活用できます。
システムキッチンの多機能キャビネットで無駄なく収納
近年のシステムキッチンは、キャビネットの収納スペースが非常に使いやすく進化しています。収納内のデッドスペースを活用できる「内引き出し」や、収納物の形状に応じて使い分けられるポケットやシェルフなど、大小さまざまな物が効率的に収まるよう計画されています。さらに、引き出し収納はフルスライド式で奥まで出し入れしやすいタイプが主流です。
古いタイプのキッチンを使用している場合は、新しいシステムキッチンに変えるだけでも、収納力アップや操作性の良さを感じるかもしれません。
メーカーによりキャビネットの工夫はそれぞれ異なり、オプションを組み合わせて自分好みのキッチン収納をつくることも可能です。カタログやショールームでチェックしてみましょう。
吊り戸棚の高さを調整して収納力アップ
既存の吊り戸棚の高さが低く、上部にデッドスペースが生じている場合は、吊り戸棚の高さを上げる、もしくは天井まで届く吊り戸棚に交換するリフォームがおすすめです。
吊り戸棚は設置位置を高くすることにより、収納スペースを拡大できるだけでなく、キッチンの空間全体を広く見せる効果も期待できます。
ただし、高すぎる位置にある物は取り出しにくいため、使用頻度の低い物を収納するのがおすすめです。あるいは、リフト式やダウンキャビネットと呼ばれる昇降式の吊り戸棚を採用すれば、高い位置の物も取り出しやすく、身長が低い方も便利に使えるでしょう。
また、地震の際に物が落下する危険性もあるため、耐震ラッチ付きの扉を採用するなど、安全対策も忘れずに行うことが大切です。
小物収納に便利なマグネットウォールを採用
キッチンの一部を磁石が付く「マグネットウォール」に変えれば、マグネット式のフックやホルダーを使って小物を自由に収納できるようになります。
よく使うキッチンツールや調味料、スパイスなどを壁面に収納すれば、作業スペースを広く確保できます。
マグネットウォールにする方法としては、ホーロー製のキッチンパネルや磁石が付く壁紙下地などの採用が一般的ですが、最近ではタイル式のマグネットパネルも人気です。インテリアに合わせて選べば、狭いキッチンでも機能性を高めながらおしゃれな空間が演出できるでしょう。
空間を圧迫しない床下収納を設置
床下収納は、使用頻度が低い物を収納するのに最適なスペースです。災害備蓄用の食糧品や保存水、季節のイベント時にしか使用しない食器などを収納すれば、狭いキッチンの空間を有効活用できます。
床下収納を設置する際には、キッチンの床材や構造に合わせた適切なタイプの床下収納を選びましょう。また、収納庫のサイズや深さも、収納する物の大きさや重さに合わせて検討することが大切です。
湿気が溜まりやすい場所なので防湿対策も考慮する必要がありますが、瓶詰や缶詰など、湿気に強い保存食品は変化を気にせず収納できるでしょう。
狭いキッチンのリフォームアイデア【レイアウト編】
マンションのキッチンはレイアウトを工夫することで、作業効率をアップさせ、快適な動線を確保できます。
ここからは、レイアウトのリフォームアイデアを詳しく紹介します。
・キッチンの間仕切り壁を撤去
・L型キッチンの採用で作業スペース拡大
・折りたたみ式カウンターで作業スペースを確保
・冷蔵庫の位置変更でスムーズな動線を計画
キッチンの間仕切り壁を撤去
マンションキッチンの狭さをリフォームで解消する一番効果的な方法は、間仕切り壁を撤去して開放的な空間をつくることです。
キッチンの壁を取り払いダイニングとつなげることで、物理的な広さを確保できるだけでなく、視覚的な広がりを演出できます。
マンションの壁は構造体としてすべてを撤去できない場合もありますが、一部を解体して袖壁付きのキッチンにする方法もあります。この場合でも、個室型のキッチンに比べれば有効面積や開放感は格段にアップするでしょう。
L型キッチンの採用で作業スペース拡大
既存のキッチンが壁付けI型の場合は、L型にリフォームすることで作業スペースを効率的に拡大できます。
L字型キッチンは、シンク・コンロ・冷蔵庫を結ぶ動線を短縮し、限られた空間でも作業効率を向上させる効果があります。二辺に作業台が配置されるため、調理や盛り付けなどの作業スペースが広がり、複数人での作業もしやすくなるでしょう。
デッドスペースになりやすいコーナー部分は、回転式収納やコーナーワゴンなどの設置によって空間を無駄なく活用できます。
折りたたみ式カウンターで作業スペースを確保
狭いキッチンで作業スペースを確保するのに便利なのが、折りたたみ式のカウンターです。使わない時は折りたたんで収納できるため、キッチンの限られたスペースを有効活用できます。
折りたたみカウンターは、補助的な作業台として、また軽食を取るスペースとしても活用できます。調理中に材料を置いたり、ちょっとした作業をしたりする際に便利です。
折りたたみ式カウンターを採用する際には、設置場所のサイズや形状、使用目的に合わせて、適切なサイズや素材のものを選びましょう。耐荷重も確認し、安全に使えるものを選ぶことが大切です。
冷蔵庫の位置変更でスムーズな動線を計画
キッチンのレイアウトにおいて、冷蔵庫の配置は作業動線に大きく影響します。リフォームに際して冷蔵庫の位置を見直せば、コンパクトなキッチンでもスムーズで効率的な動線を確保できるでしょう。
狭いキッチンでは、調理する人と冷蔵庫を使う人の動線がかぶらないように、キッチンの出入り口付近に配置するのがおすすめです。
冷蔵庫を移動する際には、冷蔵庫のサイズやドアの開閉方向、冷蔵庫を配置した際の通路幅などをチェックしましょう。
狭いキッチンのリフォームアイデア【設備編】
キッチンの設備を見直すことで、使い勝手や快適性を向上させることができます。ここからは、以下3つのアイデアを詳しく紹介します。
・コンパクトタイプのシステムキッチンを採用
・ビルトイン食洗機の設置で作業スペース確保
・薄型レンジフードで圧迫感を軽減
コンパクトタイプのシステムキッチンを採用
マンションの限られたキッチンスペースを有効活用するには、コンパクトタイプのシステムキッチンがおすすめです。「ミニキッチン」とも呼ばれるコンパクトタイプのキッチンは、一般的なシステムキッチンよりも間口が短く設計されているため、狭いキッチンでも圧迫感を軽減し、動きやすい空間づくりが可能です。
コンパクトながらも機能性は高く、シンクのサイズやワークトップの素材、収納の配置などを工夫することで、使い勝手の良いキッチンをつくれます。本来は広い空間でなければ設置が難しいアイランドキッチンも、コンパクトタイプであれば採用できる可能性が高まります。
デザインも豊富でキッチンの雰囲気に合わせて選択できるため、狭い空間でもおしゃれな雰囲気を演出できるでしょう。
ビルトイン食洗機の設置で作業スペース確保
食器洗い乾燥機には卓上型もありますが、作業スペースの確保を目的とする場合はビルトインタイプがおすすめです。ビルトインタイプの食器洗い乾燥機はキッチン本体に組み込まれるため、作業スペースに洗いかごを設置する必要がなく、調理の邪魔になることもありません。
ビルトイン食洗機を導入すれば、キッチンが整然として見え、すっきりとした印象になるでしょう。
ただし、ビルトインタイプの食洗機の採用でキャビネットの収納量が減る点には注意が必要です。食洗機の導入に合わせて断捨離する、ほかの収納スペースを活用するといった対策を考えましょう。
薄型レンジフードで圧迫感を軽減
狭いキッチンでは、レンジフードの存在感が大きく圧迫感を感じやすいものです。
薄型レンジフードは、従来のレンジフードよりも奥行きが浅く設計され、凹凸の少ないデザインが特徴です。そのため、古いタイプのレンジフードを薄型タイプに交換することで、視覚的な圧迫感を軽減し、キッチンを広く見せる効果が期待できます。
キャビネットや吊り戸棚に合わせたカラーを選べば、キッチンのデザインに調和し、すっきりとした空間づくりができるでしょう。
狭いキッチンのリフォームアイデア【インテリア編】
ここからは、狭いキッチンを広く見せるインテリアのアイデアについて、以下の3つの内容を詳しく紹介します。
・明るいカラー選びで広々とした印象に
・アクセントクロスの奥行き効果を利用
・照明選びで明るさと開放感を確保
明るい色合いで広々とした印象に
狭いキッチンを広く見せるためには、明るい色を基調とした内装づくりが効果的です。特に、ベースカラーとなる壁や床、天井には白やベージュ、アイボリーなどの明るい色を選びましょう。
これらの色は光を反射し、空間を明るく広々とした印象にします。清潔感も演出できるため、キッチンに最適なカラーといえます。
壁や床に明るい色を使う場合、キッチン全体がぼんやりとした印象にならないよう、キッチンカウンターやキャビネットにはベースカラーより濃度を上げた色を取り入れると、空間にメリハリが生まれます。
アクセントクロスで奥行き効果を演出
キッチン背面の壁にベースカラーよりも濃い色のアクセントクロスを貼ることで、空間の奥行きが強調され、キッチン全体が広く感じられます。
特に、影に近い色味のブルーやグレーといった寒色系は、より効果的に奥行き感を演出できるカラーです。
ただし広すぎる面積へのアクセントクロスの施工は、逆に圧迫感をつくる要因となります。ベースカラーとのバランスを考慮し、キッチンの中でも狭い面積の壁に採用しましょう。
照明選びで明るさと開放感を確保
窓がない場合が多いマンションのキッチンでは、明るさと開放感を確保する照明選びが大切です。
天井のシーリングライトやダウンライトなどのメイン照明は、キッチンを明るく照らすために重要な役割を果たします。キッチン全体を均一に照らすことで、圧迫感を軽減し、広々とした印象を与えます。
加えて、手元灯やスポットライトを設置すれば、限られたスペースでも十分な明るさを確保し、安全な調理をサポートしてくれるでしょう。さらに、ペンダントライトや間接照明を、補助照明として取り入れるのもおすすめです。
天井から吊り下げるペンダントライトは、視線を上部に誘導し、空間を広く見せる効果があります。また、間接照明は壁や天井に柔らかな光を反射させることで、あたたかみのある雰囲気を演出しながら、閉塞感を軽減します。
まとめ|狭いマンションキッチンもリフォームで快適な空間に
今回は、マンションの狭いキッチンでの悩みを解決するリフォームについて、15のアイデアを紹介しました。狭いと感じるキッチンでも、収納、レイアウト、設備、インテリア、それぞれの工夫次第で、限られたスペースを最大限に活かせます。
キッチンの使い勝手や必要な収納量などを考慮しながら、ご自身に最適なリフォームプランを検討してみてください。
大阪府豊中市を拠点とする住宅専門のリフォーム会社「アクティホーム」では、キッチンリフォームを含むさまざまなサービスを提供しています。収納力アップや動線改善など、現在のお悩みを解消する魅力的なプランをご提案いたします。
住まいのリフォームやリノベーションをご検討の方は、ぜひお気軽にご相談ください。
▶アクティホームのキッチンリフォーム事例はこちら
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監修者:大島 秀介(おおしま しゅうすけ)
一級建築士・リフォーム設計専門家
株式会社アクティホーム 管理建築士
大阪工業大学建築学科を卒業し、一級建築士として数多くのプロジェクトを手掛ける。自身の建築設計事務所経営を経て、アクティホームに入社。住宅改修やリノベーションの専門知識を活かし、お客様一人ひとりのライフスタイルに合わせた住空間の提案を得意とします。環境や将来の見通しを考慮し、120%の提案でご満足いただけるよう心がけています。