Blog


シニア向けリフォームの間取りポイント|成功事例や費用相場を紹介
人生100年時代と言われる現代において、老後をいかに快適に過ごすかは重要なテーマです。
そのための準備として、住宅環境を高齢者の生活に適した住まいにするシニアリフォームへの関心が高まっています。
しかし、いざリフォームを検討し始めても、「費用はどのくらいかかるのか」「どんな工事をすればいいのか」と、さまざまな疑問が浮かび上がることでしょう。 シニアリフォームは、将来の生活を見据えて、安全性・快適性・そして介護が必要になった場合の対応まで考慮する必要があります。
この記事では、シニアリフォームを成功させるためのポイント、費用相場、補助金制度など、知っておくべき情報をわかりやすく解説していきます。今後のリフォーム計画の参考として、ぜひご活用ください。
快適な老後を過ごすために重要な「シニアリフォーム」
シニア世代が快適かつ安全に、そして自分らしく暮らしていくためには、住み慣れた家をリフォームし、間取りや設備を変更することが重要になってきます。長年暮らしてきた家は、家族構成やライフスタイルの変化によって、いつの間にか住みにくさが顕在化してくる場合も多く見られます。
例えば、階段の上り下りが辛くなってきた、廊下でつまずいてしまうことが増えた、キッチンが狭くて動きづらい、浴室での転倒が不安、といった悩みを抱える方もいるのではないでしょうか。
シニアリフォームを実施するうえで重視すべきポイントは、「シニアライフの快適性と安全性」と「将来の変化にも対応できる柔軟性」の2点です。加齢にともなう身体機能の変化に対応した間取りにすることで、快適で安全な暮らしを送ることができます。
さらに、バリアフリー化といったリフォームを行えば、家族構成の変化や介護の必要性など、将来起こりうる変化にも対応できるようになります。
例えば、将来車椅子での生活になった場合でも、自宅で安心して過ごせるように、あらかじめ廊下を広くしたり、段差をなくしたりといったリフォームを検討しておくことが大切です。
シニアリフォームにおける間取り変更は、現在抱える問題を解決するだけでなく、将来的にも充実した暮らしを送るための重要な要素といえます。
後悔しない間取りづくりのポイント
シニアリフォームでは、快適で安全な暮らしを送れるよう、間取りづくりにおいてもさまざまな工夫を凝らすことが大切です。
間取りづくりにおけるポイントを4つに分け、それぞれの具体的なリフォーム内容を紹介します。
安全性への配慮
・つまずきやすい段差をなくし、床の高さを調整したり、スロープを設けたりする
・上下左右の移動がある場所に手すりを設置する
・玄関ポーチや浴室など転倒が起こりやすい場所には滑りにくい床材を採用する
特に、つまずきや転倒の原因となる段差は、解消することが重要です。床の高さを揃えたり、スロープを設置したりすることで、安全性を高めることができます。
また、手すりは、階段の上り下りや、立ち座りをサポートする役割があり、転倒防止に効果的です。
移動の負担を軽減
・車椅子での移動も考慮し、廊下や通路、出入り口などの幅を広く確保する
・家事負担の軽減のため、水回りをまとめて配置する
・寝室とトイレをできる限り近接させ、夜間の移動を安全かつ負担が少ないものにする
廊下や出入口などは、車椅子での移動も考慮して十分な広さを確保することが大切です。
また、水回りを一箇所に集約することで移動距離を減らし、家事の負担を軽減することができます。
快適性の向上
・リビングやダイニングに十分な広さを確保し、ゆったりと過ごせる空間にする
・収納スペースを十分に確保することで、室内を整理整頓し、安全な状態を保つ
リビングやダイニングは、家族が集まる大切な空間です。十分な広さを確保することで、ゆったりとくつろぐことができるでしょう。
また、収納スペースを増やすことで、整理整頓がしやすくなり、安全な空間を維持することができます。
将来の介護を見据えた工夫
・万が一に備え、車椅子での移動も可能なスペースを確保しておく
・介護が必要になった場合でも使いやすいよう、トイレや浴室などの水回りをあらかじめ改修しておく
将来、介護が必要になった場合でも住み慣れた家で安心して過ごせるように、あらかじめバリアフリー化などのリフォームを検討しておくことが大切です。
【部屋別】リフォーム成功事例とポイント
ここからは、部屋別の具体的なリフォーム成功事例と、それぞれのポイントを紹介します。
玄関
「段差をなくしスロープを設置することで、つまずきを防止しながら車いすでの出入りを可能にした」
玄関は家の顔となる部分であると同時に、段差があり雨水などで滑りやすくなることもあるため、高齢者にとっては危険な場所の一つといえます。
車いすが通れるスロープを設置するにはある程度のスペースが必要ですが、玄関扉を開き戸から引き戸に変えたり、上がり口にベンチを設置したりといった方法でも安全性や使い勝手を向上させることができます。
リビング・ダイニング
「2部屋の間仕切りを撤去し、広々としたLDKに。カウンターを新設することで、キッチンとの空間を緩やかに区切りつつ、家族とのコミュニケーションも取りやすくした」
古い間取りでは、キッチンとダイニング、リビングがそれぞれ個室になっているケースも少なくありません。
しかし生活の中心となるリビングは、ダイニングやキッチンと一体にすることで開放的になり、趣味や家族団らんのスペースとして活用しやすくなります。
いつでも目の届く範囲に家族がいることは、安全面でも非常にメリットが大きいでしょう。
キッチン
「壁付けだったキッチンを対面式に変更。調理スペースが広がり、夫婦で一緒に料理ができるようになった。収納スペースを増設し、使い勝手が向上した」
一昔前のキッチンでは、扉タイプや吊戸棚の収納が一般的でしたが、現在はスライドレール式の引き出しやカウンタータイプの食器棚など、身体に負担なく使えるキッチンが主流です。
新しいタイプのキッチンに変えるだけでも快適性はアップしますが、キッチンの通路幅を広くしたり、ライフスタイルに合わせて配置を変えたりすることで、さらに使いやすい場所になるでしょう。
寝室
「和室を洋室に変更し、ベッドを設置。収納スペースを増設し、タンスが必要ない間取りにした」
趣きと落ち着き感が魅力の和室ですが、身体への負担を考慮し、シニア世代には洋室へのリフォームが人気です。
また、重量のあるタンスや衣装ケースは地震による転倒の危険性があるため、リフォームの機会に撤去し、クローゼットを新設するのもおすすめです。
トイレ
「トイレの横に手すりを設置。便座の高さを上げたため、立ち座りが楽にできるようになった」
トイレは高齢者にとって転倒のリスクが高い場所のため、安全性に配慮することが重要です。手すりを設置する場合は、縦・横方向に力をかけられるL型のものが良いでしょう。
また、トイレでの立ち座りによる負担を軽減したいときは、「補助便座」の設置がおすすめです。
浴室
「浴室全体をバリアフリー化。滑りにくい床材を採用し、手すりを設置。浴槽の出入りが楽になるように、手すり付きの浴槽にした」
浴室まわりは滑りやすく転倒事故が起きやすいため、脱衣所・洗い場・浴槽内、それぞれに手すりの設置が必要です。
また、温度変化が大きいため、ヒートショック対策も必要です。暖房機能付き浴室乾燥機の設置や、高断熱化工事によって、一定の室温を保つための工夫を検討しましょう。
廊下・階段
「廊下は幅を広くし、手すりを設置。階段には滑り止めを付け、段差を緩やかにすることで安全性を高めた」
廊下や階段は、移動の際に転倒する危険性があるため、手すりや滑り止めを設置するなどの対策が効果的です。廊下につながる扉を引き戸にすれば、各部屋への出入りも楽に行えます。
また、老化とともに暗い場所が見えにくくなることもあるため、センサーライトやフットライトなどの照明の設置も検討しましょう。
シニアリフォームにかかる費用相場
シニアリフォームにかかる費用は、リフォームの内容や住宅の状況によって大きく異なります。
例えば、築年数が浅く傷みの少ない住宅であれば、大規模な改修が不要になるため費用を抑えながらリフォームを行えます。反対に、築年数が経過し、老朽化が進んでいる住宅では、劣化部分の補修や耐震補強などが必要となり、費用が高額になる可能性があるでしょう。
ここでは、家全体をリフォームした場合の費用と部屋別の費用相場について解説します。
全体費用
シニアリフォームにかかる費用は、工事内容や住宅の規模、使用する設備によっても差が生じますが、一般的な費用の相場は以下の通りです。
・小規模リフォーム(手すり設置や床材張り替えなどの部分改修):50~150万円
・中規模リフォーム(トイレや浴室など複数箇所の改修):200~500万円
・大規模リフォーム(間取り変更を伴うような住宅全体の改修):500~1,000万円
費用を抑えるためには、既存の設備を活かす、シンプルな内装にするなどの工夫も有効です。
また、リフォーム会社によって費用やサービス内容が異なるため、複数の会社から見積もりを取り、比較検討するのが後悔を防ぐポイントです。相見積もりを取ることで、工事内容や価格の妥当性を判断することができます。
部屋別の費用相場
シニアリフォームを実施する際の部屋別の費用相場は以下の通りです。
上記はあくまで目安であり、実際の費用は住宅の状況や使用する設備によって大きく異なる可能性があります。
例えば、浴室の改修では、ユニットバスへの交換を選択するか、既存の浴室を活かして部分的に改修するかといった内容で費用が大幅に変わってきます。
また、工事費用のほかに設計費や諸経費などが計上されることもあるため、リフォーム全体にかかる総費用を確認しながら、予算オーバーにならないよう注意しましょう。
シニアリフォームで使える補助金・助成金制度
シニアリフォームを実施する際に、活用を検討したいのが補助金制度や助成金制度です。
バリアフリー化や省エネ化に関するリフォームは制度の対象になるケースが多く、国だけでなく地方自治体による支援を受けられる可能性があります。
主な高齢者向けの制度としては、手すりの設置や段差の解消などに活用できる「高齢者住宅改修費用助成制度」が挙げられます。ただし、この制度は住人の要介護認定が条件となるため、ケアマネージャーなどと相談しながら検討していくことが必要です。
各制度を申請する際には、リフォーム内容や工事費用に関する書類の提出が必要となります。 また内容によっては、事前にリフォーム業者と相談のうえ、見積書の提出が求められることもあります。
制度の条件や期限はそれぞれ異なるため、まずは具体的な要項を確認してみましょう。自治体の窓口や地域のリフォーム会社でも、制度についての詳しい説明が聞けます。
まとめ|老後も快適に過ごせる住まいを目指してリフォームを
シニアリフォームは、単に住宅の機能を改善するだけでなく、これからの生活をより豊かに、そして安心して過ごすための大切な準備です。 今回の記事では、シニアリフォームで実現したい間取りづくりのポイントと、具体的な費用相場、そして活用できる助成金制度について解説しました。
今回紹介した内容を参考に、理想のシニアライフを実現するためのリフォーム計画を進めていきましょう。
アクティホームは、快適な家づくりをサポートする住宅リフォーム専門店です。豊富な実績と経験をもとに、デザイン性と機能性を両立する満足度の高いシニアリフォームを実現します。
大阪府豊中市をはじめ、箕面市、池田市、伊丹市、尼崎市、大阪市内で、リフォーム・リノベーションをご検討の方は、ぜひお気軽にご相談ください。
――――――
監修者:大島 秀介(おおしま しゅうすけ)
一級建築士・リフォーム設計専門家
株式会社アクティホーム 管理建築士
大阪工業大学建築学科を卒業し、一級建築士として数多くのプロジェクトを手掛ける。自身の建築設計事務所経営を経て、アクティホームに入社。住宅改修やリノベーションの専門知識を活かし、お客様一人ひとりのライフスタイルに合わせた住空間の提案を得意とします。環境や将来の見通しを考慮し、120%の提案でご満足いただけるよう心がけています。
Category
Archive
- 2025年10月
- 2025年9月
- 2025年8月
- 2025年7月
- 2025年6月
- 2025年5月
- 2025年4月
- 2025年3月
- 2025年1月
- 2024年12月
- 2024年11月
- 2024年10月
- 2024年9月
- 2024年8月
- 2024年7月
- 2024年6月
- 2024年5月
- 2024年4月
- 2024年3月
- 2024年2月
- 2024年1月
- 2023年12月
- 2023年10月
- 2023年8月
- 2023年7月
- 2023年5月
- 2023年3月
- 2022年11月
- 2022年1月
- 2021年3月
- 2021年2月
- 2021年1月
- 2020年12月
- 2020年11月
- 2020年10月
- 2020年9月
- 2020年8月
- 2020年7月
- 2020年6月
- 2020年5月
- 2020年4月
- 2020年3月
- 2020年1月
- 2019年12月
- 2019年11月
- 2019年10月
- 2019年9月
- 2019年6月
- 2019年5月