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浴室と洗面所を一緒にリフォームするメリット|費用相場や注意点も解説
住宅のリフォームを考えるとき、特に気になるのはやはり水回り設備ではないでしょうか。
中でも「浴室」と「洗面所」は使用頻度が高く、老朽化が進むと使い勝手や清潔感にも影響するため、リフォームのタイミングに悩まれる方も多い箇所です。
そこで今回は、浴室と洗面所を同時にリフォームするメリットや費用相場、さらに注意すべきポイントについて解説します。
「水回りの古さが気になる」
「もっとおしゃれな空間にしたい」
「リフォーム費用を安く抑えたい」
そんなお考えをお持ちの方は、この記事で具体的なヒントを得られるかもしれません。
ぜひ参考にしてください。
浴室と洗面所を同時にリフォームするメリットとは
浴室と洗面所のリフォームを検討するならば、「同時の実施」がおすすめです!
同時にリフォームすることで、いくつかの大きなメリットが得られます。以下では、その具体的なメリットを詳しく解説します。
工期短縮と費用節約になる
浴室と洗面所を別々にリフォームする場合、それぞれに工期の設定、材料や職人の手配が必要となり、その分コストもかさむ傾向があります。しかし、同時にリフォームを行うと作業を一括で行えるため、工事の期間が短縮されます。
たとえば、壁や床の配管や配線工事を一度に済ませることで、別々に行うよりも効率よく進められるのです。
この理由により、水回りリフォームをセット料金で安く提供している業者も少なくありません。
ちなみに浴室のリフォームを行う場合、隣接する洗面所の壁を一部解体したり、クロスをはがしたりするケースがあるため、浴室単独の工事であっても洗面所のリフォームと同じ工事内容が発生してしまうことがあります。配置によっては洗面台や洗濯機の移動を伴うこともあるでしょう。浴室をリフォームする際は洗面所も同時に改修することで、手間や費用の重複を防ぐことができます。
統一感のあるインテリアになる
浴室と洗面所は隣接していることが多いため、同時にリフォームすることでデザインや内装の統一感を出すことができます。
たとえば、浴室の壁パネルと洗面所のアクセントクロスや洗面カウンターの素材などをコーディネートすることで、空間全体が調和の取れた仕上がりに。統一感が生まれることで、スタイリッシュで落ち着いた空間を演出できます。
また、浴室にいたる動線全体をバリアフリー化する際なども、洗面所のリフォームを同時に行うことで、出入りしやすい引き戸の採用や連続性のある手すりの設置などが計画しやすくなるでしょう。
一括で老朽化対策できる
水回りは湿気や汚れが溜まりやすく、経年による劣化が進みやすい場所です。なおかつ、一般的なユニットバスと洗面台は耐用年数が15~20年と同程度のため、同時期にリフォームすることで老朽化対策を一括して行うことができます。
新しい水回り設備は防水性や防カビ性にも優れているため、的確な時期に交換することで、水漏れや構造材の腐食といったトラブルを未然に防ぐことができます。
万一のトラブルが発生すれば、水回りは大掛かりな改修工事が必要になってしまうため、浴室と洗面所の同時リフォームは、快適な状態を長期間保ちながら、将来的なメンテナンス費用を抑えられるメリットがあるといえるでしょう。
浴室と洗面所のリフォーム費用相場
リフォームを考える際、予算検討のためにも費用相場を知ることは重要なポイントです。
ここでは、浴室と洗面所を同時にリフォームした場合の費用相場や、それぞれ個別のリフォーム費用についても紹介します。
浴室と洗面所を同時リフォームした場合の費用相場
浴室と洗面所を同時にリフォームする場合、マンションでは70~200万円、戸建てでは80~250万円が費用相場です。
費用は、浴室や洗面所の広さ、選択する設備のグレード、工事内容によって大きく変動します。
たとえば、浴室暖房乾燥機やジェットバスなどのオプションを追加する場合や、浴室の解体時に土台が腐食していた場合、造作洗面台を設置する場合などは、総費用が高くなる可能性があります。
浴室リフォームの費用相場
浴室リフォームには「ユニットバス」と「在来工法(オーダーメイドのタイル貼りなど)」の2種類があります。
【ユニットバスの場合:60〜120万円程度】
ユニットバスは工場で製造されたパーツを現地で組み立てるため、工期も短く費用も抑えられやすいのが特徴です。
標準的なサイズ・グレードでシンプルな機能を選べば100万円前後、ジェットバスや床暖房などのオプションを付けると200万円を超えることもあるでしょう。
ただし、既存の浴室が在来工法のお風呂だった場合、解体・撤去や新しいベースの設置が必要になるため、10~30万円ほどの追加費用が発生します。
【在来工法の場合:50〜200万円程度】
在来工法は、タイルやモルタルなどの床・壁・天井材を現場で施工するオーダーメイド形式の浴室です。築年数の古い住宅で見かけることがありますが、デザイン性にこだわりが強い方が採用するケースも多いタイプです。
リフォーム費用はユニットバスよりも高くなることが一般的ですが、浴槽の入れ替えや壁材の張り替えのみを行うケースから、全面的に改修するケースまで工事内容の幅が広く、費用にも大きな開きが生じます。
洗面所リフォームの費用相場
洗面所のみをリフォームする場合、20~100万円が費用相場です。
リフォーム費用は、洗面台の大きさや種類、内装工事や収納スペース設置の有無、配管工事の有無などによって異なります。
たとえば、洗面台を交換するだけの簡単なリフォームであれば費用は抑えられますが、配管工事が必要な大規模なリフォームや、収納スペースを増設する場合は、費用が高額になる傾向があります。
近年人気の「造作洗面台」については、既製品の洗面台に比べ費用は高くなるものの、シンプルなデザインであれば20~30万円程度で設置できます。ただし、海外製の機器や引き出し付きの収納、上質な素材のカウンターやタイルなどを採用した際には費用が大幅に上がるでしょう。
上記はあくまでも目安であり、実際の費用は現地調査や見積もりによって異なります。複数のプランを比較しながら検討を進めることが大切です。
浴室と洗面所を一緒にリフォームする際の注意点
浴室と洗面所のリフォームをスムーズに進めるためには、事前に確認しておくべき注意点があります。以下のポイントを押さえておきましょう。
ショールームで実物を確認する
カタログやウェブサイトで見るのと、実際に目で見て触れるのとでは、色合いや質感、サイズ感が大きく異なる場合があります。
特に浴室や洗面台は実際に使ってみないと使い勝手が分からないものもあるため、ショールームに足を運んで実物を確認するのがおすすめです。
また、ショールームのスタッフに相談することで、最新のトレンドや機能についても教えてもらえるため、より理想に近い空間を実現できます。
在来工法の浴室や造作洗面台を設置する際は、使用する素材の実物やサンプルを取り寄せてもらい、完成品がイメージと異なることがないように注意しながら検討していきましょう。
必要な機能やサイズをよく検討する
浴室と洗面所をリフォームする際には、現在のライフスタイルや家族構成に合わせた機能やサイズを選ぶことが大切です。
近年展開されている浴室や洗面台は高機能化が進んでいて、バリエーション豊かなオプションを選択することができます。
たとえば、浴室の「自動おそうじ機能」や「高断熱浴槽」、洗面台の「タッチレス水栓」や「ステップ付き収納」など。あれば便利で暮らしをより豊かにしてくれる機能ばかりですが、実際の生活に合っていなかったり、使用頻度が極端に少なかったりすれば費用対効果は悪いといえます。
リフォームでは浴室や洗面室の広さ、設備のサイズも変更することができますが、現状の悩みや希望の優先順位などを反映させながら、家族の人数や使用頻度に合わせた最適なサイズを選ぶことが重要です。
現在のライフスタイルだけでなく、家族構成の変化や将来設計も考慮したうえで、必要な機能やサイズを決めましょう。
工事中の生活への影響を考慮する
浴室と洗面所の同時リフォームは、工期に際して生活に支障が出ることがあるため、事前に生活への影響を確認しておくことが大切です。
リフォーム中の一時的な入浴施設の利用や仮設の洗面台などの対策について、担当者としっかり打ち合わせを行うことで、安心してリフォームを進められます。
水回りリフォームでは給水管工事の際などに断水を行うことがあり、一時的にキッチンやトイレの使用もできなくなります。事前に断水タイミングを把握し、生活への支障を最小限に抑えましょう。
また、住宅密集地の戸建てやマンションなどの集合住宅では、近隣住民への配慮も必要です。
近隣トラブルやクレームを防ぐためにも、車両の出入りや騒音・ニオイが発生する予定がある場合は、着工の1週間~10日程度前に工程表と一緒に工事のお知らせを渡すのがベストです。近隣対応やあいさつは基本的に工事業者が行うケースがほとんどですが、施主が一緒に対応することで万一のトラブルを未然に防ぎやすくなります。
浴室と洗面所リフォームで使える補助金・助成金制度
浴室や洗面所のリフォームは、快適な暮らしを実現するための投資となる一方で、ある程度のまとまった費用が必要になります。
しかしリフォームの内容によっては、補助金や助成金制度、減税制度の活用が可能です。これらの制度を利用することで、自己負担額を抑えながらリフォームを行うことができます。
特に、「省エネ化」と「高齢者対応」の内容が含まれれば制度を活用できる可能性が高まるため、高効率の給湯器や高断熱浴槽を採用する場合や、手すりを設置する場合などは申請を検討してみましょう。
以下に、浴室や洗面所に活用できる制度の一部を紹介します。
【子育てエコホーム支援事業】
●対象になるリフォーム内容
(必須)高断熱浴槽、節湯水栓、高効率給湯器の設置
(任意)浴室乾燥機、手すりの設置、段差解消など
●補助上限額
20万円/戸
※ただし、子育て世帯又は若者夫婦世帯は最大60万円、その他の世帯で長期優良住宅の認定を受ける場合は最大30万円。
●申請受付期間
2024年4月2日~予算上限に達するまで(遅くとも2024年12月31日まで)
【長期優良住宅化リフォーム推進事業】
●対象になるリフォーム内容
住宅性能(省エネ性、耐震性、耐久性)向上ためのリフォーム
高断熱浴槽、内窓、手すり、高効率給湯器の設置、給排水管の更新など
●補助上限額
160万円/戸(認定長期優良住宅型)
※ただし、子育て世帯または若者夫婦世帯、既存住宅の購入者が改修工事を実施する場合は50万円の加算あり
●申請受付期間
2024年5月13日~予算上限に達するまで(遅くとも2024年12月23日まで)
【介護保険による住宅改修】
●対象になるリフォーム内容
手すり、引き戸の設置、段差解消、滑りにくい床材の施工など
※住人の要介護認定が必要
●補助上限額
18万円/回(基準額の最大20万円のうち1割~3割を負担)
※要支援や要介護のランクが3段以上あがったとき、撤去したときは再度利用が可能
●申請受付期間
随時
【リフォーム減税(所得税・固定資産税の減税)】
●対象になるリフォーム内容
・バリアフリーリフォーム:手すりの設置や段差解消など
・省エネリフォーム:断熱窓、高性能の断熱材、高効率給湯器の設置など
・同居対応改修工事:三世帯同居にあたっての水回り設備の増設
・耐久性向上改修工事:給排水管の更新など
●所得税の最大控除額
50万円(対象工事の限度額500万円の10%を所得税額から控除)
●固定資産税の最大減税額
翌年分の固定資産税の3分の2(1年間)
●申請受付期間
確定申告時に申請
参考:国土交通省|住宅をリフォームした場合に使える減税制度について
上記はあくまでも一例であり、自治体によっては独自の補助金制度を設けている場合があります。
リフォームを検討する際には、国や自治体のホームページを確認したり、専門業者に相談したりするなどして、利用できる補助金・助成金制度について情報収集を行いましょう。
まとめ|水回りリフォームは専門家に相談して最適なプランを見つけよう
浴室と洗面所を一緒にリフォームすることで得られるメリットや注意点、費用相場について紹介しました。
リフォームは大きな決断となりますが、リフォーム会社などの専門家に相談することで、予算や要望に応じた最適なプランを見つけることができます。
水回りのリフォームを検討する際は、ぜひプロのアドバイスを取り入れて、理想の空間を実現してください。
大阪府豊中市を拠点とする住宅専門のリフォーム会社・アクティホームでは、お客様の理想やライフプランを細かく丁寧にヒアリングしたうえで、予算に応じた最適なご提案をいたします。
大阪府豊中市や、箕面市、池田市、伊丹市、尼崎市、大阪市内などで、住まいのリフォーム・リノベーションお考えの方は、ぜひお気軽にご相談ください。
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監修者:大島 秀介(おおしま しゅうすけ)
一級建築士・リフォーム設計専門家
株式会社アクティホーム 管理建築士
大阪工業大学建築学科を卒業し、一級建築士として数多くのプロジェクトを手掛ける。自身の建築設計事務所経営を経て、アクティホームに入社。住宅改修やリノベーションの専門知識を活かし、お客様一人ひとりのライフスタイルに合わせた住空間の提案を得意とします。環境や将来の見通しを考慮し、120%の提案でご満足いただけるよう心がけています。