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浴室の手すり取り付け費用はいくら?費用相場と安く抑える方法、補助金を紹介
「お風呂が滑りやすく転びそう」
「浴室での立ち座りがきつい」
といったお悩みを抱え、自身やご家族の入浴を不安に感じる方も少なくないでしょう。
浴室の安全対策として一番有効なアイテムは「手すり」です。手すりを効果的に設置すれば、身体を安定させながらスムーズに入浴できるようになります。
この記事では、浴室に手すりを取り付ける費用相場や種類、選び方、補助金情報まで、詳しく解説します。安全で快適な入浴を実現するために、ぜひ参考にしてください。
浴室に手すりは後付けできる?メリットは?
浴室に手すりを後付けしたいと考えている方は多いでしょう。結論として、ほとんどのケースで後付けは可能です。
築年数が古い住宅でも、壁の補強工事を併用することで設置できます。専門業者に相談すれば、住宅の構造や浴室の状況に合わせた適切な方法を提案してもらえるでしょう。
浴室に手すりを取り付けるメリット
手すりの設置により得られるメリットは多岐に渡りますが、主なメリットとして以下の3つが挙げられます。
【転倒防止効果】
濡れて滑りやすい浴室は、高齢者だけでなく、子供や体の不自由な方、妊娠中の方など、誰にとっても危険な場所です。手すりは、体を支えることで転倒リスクを大きく軽減し、安全な入浴をサポートします。
石鹸カスや水垢、シャンプーなどが床に付着して、思っている以上に滑りやすくなっているケースも少なくありません。手すりを設置すれば、転倒を予防でき、安心して入浴できるようになります。
【自立した生活の支援】
浴室に手すりがあると、入浴時の動作が楽になります。特にお年寄りや体の不自由な方にとっては、立ち座りや移動がスムーズになり、転倒などの心配も減ります。
手すりがあれば、誰かの手を借りなくても、ご自身で安心して入浴できる時間が増えるのもメリットです。より自立した生活を送る上で、手すりは大きな支えとなってくれるでしょう。
【精神的な安心感】
お風呂の手すりは、入浴時の不安をやわらげ、安心感を与えてくれます。「滑って転んだらどうしよう」という心配がなくなれば、リラックスしてお風呂の時間を楽しめるようになるでしょう。
お風呂は、一日の疲れを癒す大切な場所。安心して入浴できる環境は、心と体の健康維持にもつながります。
浴室手すりの取り付け費用相場
浴室手すりの取り付け費用は、手すりの種類、材質、設置場所、工事内容、業者によって大きく異なります。ここでは、業者に依頼する場合とDIYで行う場合に分け、一般的な費用相場を紹介します。
業者に依頼する場合の費用相場
1箇所あたり:20,000円~30,000円程度 (材料費、工事費込み)
この費用相場は、標準的なI型手すりを壁に設置する場合の目安です。L型手すりや可動式手すりなど、形状が複雑な手すりを設置する場合や、壁の材質によっては費用がさらに高くなる可能性があります。
また、下地補強工事や追加工事が必要な場合は別途費用が発生します。下地がコンクリートか木材か、タイルの張り替えが必要かなど、状況によって費用は大きく変動するため、事前に現場調査を実施し、現状に即した見積もりを作成してもらいましょう。
DIYで取り付ける場合の費用相場
1箇所あたり:3,000円~10,000円程度(材料費のみ)
DIYで取り付ける場合は材料費のみで済みますが、適切な工具や知識が不可欠です。下地の強度が弱いと手すりが外れてしまう危険性もあるため、DIYでの取り付けは、慎重に検討する必要があります。
DIYで取り付ける場合の注意点は、後述します。
特に、浴室は湿気が多く下地が腐食している可能性もあるため、専門的な知識がない場合は業者に依頼する方が安全です。また、DIYで取り付けて施工不良による事故が発生した場合は、自己責任となる点にも注意しましょう。
浴室手すり取り付け費用を安く抑える方法
浴室の手すりの取り付け費用を安く抑えるには、いくつかの方法があります。ただし、費用を抑えたいからといって、安全性を軽視することはできません。
安全性を確保しつつ、費用を抑えるためのポイントを解説します。
工事内容を必要最小限にする
手すりをあらゆる箇所に取り付けて万全の対策を講じようと考える方もいるかもしれませんが、使用者の身体状況に応じて適切な本数を設置するのが、コスト面や使い勝手を考慮するうえで大切なポイントです。
必要以上に手すりを設置すると、費用がかさむだけでなく、浴室が狭く感じたり、掃除がしにくくなったりする原因にもなります。
専門業者に相談し、最適な設置場所や本数を検討してもらいましょう。例えば、浴槽の出入りのみに不便を感じている場合は、浴槽の縁に1本設置するだけで十分な場合もあります。
水回りリフォームに特化した業者を選ぶ
水回りリフォームの実績が豊富な業者は、浴室の構造や特性を熟知しているため、効率的な施工と適切な部材選定で費用を抑えられます。豊富な経験に基づく的確なアドバイスにより、過剰な工事や高価な手すりを避け、最適なプランを提案してくれるでしょう。
また、費用だけでなく質の高い施工も期待できます。水回りの湿気やカビ、水漏れリスクに精通し、適切な下地補強や防水処理を施すことにより、長期的な耐久性を実現します。
信頼できる業者を見つけるには、実績・施工事例・顧客レビューをよく確認することが大切です。また、見積もりの価格だけでなく、問合せ時の対応力なども確認しましょう。
地元密着型のリフォーム業者は、地域特性に合わせた施工や迅速なアフターサービスも期待できます。
補助金・助成金を活用する
浴室の手すり設置については、補助金・助成金を受け取ってお得にリフォームできるケースがあります。
「要介護を受けている方の自宅」または「65歳以上の方の自宅」に該当する場合は利用できる可能性が高いので、工事を実施する前に要件を確認し、制度の活用を検討してみましょう。
【介護保険制度による住宅改修費の支給制度】
この制度では、自宅で手すりの設置や段差の解消などを行った際、最大18万円(支給限度基準額20万円のうち最大9割)を受け取れます。要件は、主に以下の2点です。
・要支援認定あるいは要介護認定を受けている方
・対象の住宅が自宅であること
一人一回が原則ですが、限度額の20万円以内であれば複数回に分けての利用も可能です。また、転居した場合や要介護度が一定程度高くなった場合は給付実績がリセットされ、再度上限額までの支給を受けられます。
申請時は、必ず改修を行う前に担当のケアマネージャーに相談し、必要な手続きを進めましょう。
【地方自治による高齢者向けの補助・助成制度】
介護保険とは別に、お住まいの自治体で工事費への補助を受けられる場合があります。
例えば大阪市の「高齢者住宅改修費給付事業」は、先述の介護保険制度による支給を受ける際、関連工事であるものの支給対象にならない部分について、その費用を給付する制度です。
浴室手すりの場合、工事に際して壁の一部を改修したり、身体状況に応じてシャワーを取り付けたりする場合が対象となり、最大30万円支給されます。
これらの制度を利用するためには、事前に申請が必要な場合がほとんどです。申請手続きや必要書類なども自治体によって異なるため、事前にしっかりと確認しておきましょう。
浴室手すりの種類と選び方
浴室で使用する手すりは、形状や材質、太さなどさまざまな種類があるため、使用者の状況や設置場所に適した手すりを選ぶことが重要です。
どのような種類の手すりがあるのか、それぞれの特徴を理解しておきましょう。
I型手すり(縦手すり)
最も一般的な形状の手すりです。床に対して垂直に取り付け、主に立ち座りの動作をサポートします。
比較的安価で設置しやすいのが特徴です。シンプルな形状のため、どんな浴室にも馴染みやすいというメリットもあります。
水平手すり(横手すり)
床に対して水平方向に設置する手すりです。浴槽への出入りや洗い場での移動をサポートします。
I型手すりと組み合わせて設置されることが多く、体を支えるというよりもバランスを保つための補助的な役割が大きい手すりです。
L型手すり
L字型は、I型と水平手すり両方の機能をあわせ持つ手すりです。立ち座りと水平移動、両方の動作を1本の手すりでサポートできるため、高い安全性を確保できる点が大きな特徴です。
特に浴槽の出入り時に安定して体を支えられるため、浴槽横長手方向の壁に設置すると効果を発揮します。
可動式手すり
浴室用の手すりには、設置工事が不要な可動式の手すりもあります。床に置いて使用する据え置きタイプ、浴槽の縁に挟み込んで取り付けるタイプ、強力吸盤式のバータイプの3種類が主な形状で、介護用品として販売されています。
ただし、可動式の手すりは建物に直接固定するタイプに比べ安定性が劣るため、使用のたびに、「しっかりと固定されているか」「ズレや傾きがないか」といったチェックが欠かせません。
手すりの材質
浴室手すりの材質は、主にステンレス、樹脂被覆が使用されます。それぞれの材質の特徴を理解し、浴室環境や好みに合わせて選びましょう。
【ステンレス】
錆びにくく耐久性に優れているため、浴室環境に適しています。スタイリッシュな商品も豊富にあり、デザイン性の高いおしゃれな浴室にも取り入れやすい点が魅力です。
【樹脂被覆】
ステンレスなどの金属に樹脂を被覆したものです。握りやすく、冬場でも冷たさを感じにくいメリットがあります。
また、滑りにくさにも優れているため、「しっかりと身体を支えたい」という場合には、樹脂被覆の手すりがおすすめです。
手すりの太さ
手すりの太さは、握りやすさに影響します。浴室用の手すりでは、直径32㎜または35㎜のものが一般的です。
横方向に手を滑らせながら使用する手すりは太めの35㎜が、上下運動を縦方向で支える手すりはグリップしやすい32㎜がおすすめです。
ただし、使用者の手の大きさや握力、身体状況によっても使いやすい太さは異なるため、実際にショールームなどで体感し、自分に合った太さを確認してみましょう。
設置場所と目的に合わせた手すりの選び方
手すりの種類を選ぶ際には、設置場所と使用者の状況を考慮することが重要です。
例えば、浴槽への出入りをサポートしたい場合は、L型手すりや水平手すりが適しています。洗い場での移動をサポートしたい場合は、I型手すりや水平手すりがおすすめです。
次章からは、おすすめの取り付け位置についてさらに詳しく説明します。
浴室手すりのおすすめ取り付け位置
浴室では、わずかなつまずきや滑りでも大きな事故につながることがあります。安全で快適な入浴を実現するために、手すりの取り付け位置はとても重要です。
手すりの設置場所は、浴室内の動作を考慮した位置にするのがポイントです。場合によっては複数個所に取り付け、安全な入浴をサポートしましょう。
浴槽への出入りをサポートする位置
浴槽への出入りをサポートする手すりは、浴槽の縁に沿って設置するのが一般的です。浴槽と洗い場の間にI型手すりを設置すれば浴槽への出入りがしやすく、L型手すりを浴槽の横に設置すれば、浴槽内での立ち座りスムーズになります。
具体的には、以下の場所がおすすめです。
【浴槽と洗い場の間】
浴槽をまたいで出入りする際は身体のバランスを崩しやすく不安定になりがちです。浴槽と洗い場の間にI型手すりを設置すれば、身体を支えながら安全に浴槽を出入りできます。
【浴槽の横】
浴槽長手方向に面した壁にL型手すりを設置し、立ち上がりや座る際の支えにします。横の手すり部分の高さは浴槽の縁から10~15㎝程度にし、縦の手すり部分が足元方向に来るように設置すると、入浴姿勢をより安定させやすくなります。
洗い場での移動をサポートする位置
洗い場での移動をサポートする手すりは、壁に沿って設置するのが一般的です。I型手すりや水平手すりの設置によって、浴室内を安全に移動できます。
具体的な位置は以下の通りです。
【浴室の出入り口付近】
浴室内は水に濡れて滑りやすく、脱衣所との間に段差がある場合も多いため、出入り口付近に手すりを設けて転倒を防止しましょう。I型手すりを設置すれば身体を支えやすく、手すりを持ちながらのドア開閉もスムーズです。
【洗い場の壁】
水平手すりを設置すれば、浴室内を安全に移動できます。手すりの高さは750~850㎜程度が一般的ですが、洗い場の広さや使用者の体格に合わせて、適切な位置に設置することが大切です。
【シャワーチェアの周辺】
シャワーチェアや洗い場カウンター付近にI型手すりを設置すると、立ち上がりや着座がスムーズになります。
シャワースライドバーと手すりが一体となったタイプであれば、省スペースでも設置しやすいでしょう。
適切な取り付け位置は、使用者の体格や身体状況によって異なるため、専門業者に相談し、適切なアドバイスを受けることをおすすめします。
実際の浴室状況を確認したうえで最適な設置場所を提案してもらえば、より安全で快適な入浴環境を実現できます。
手すりの取り付けを専門業者に依頼するメリットとDIYの注意点
手すりの取り付けは、安全性を確保するために適切な方法で行うことが大切です。専門業者に依頼するのが安心ですが、ご自身でDIYされる場合には、いくつか注意すべき点があります。
ここでは、専門業者に依頼するメリットやDIYを行う際の注意点、そして設置後のメンテナンスについて解説します。
専門業者に依頼するメリット
専門業者に依頼することで、以下のメリットがあります。
【安全な施工】
専門知識と技術を持った業者によって、適切な場所に手すりを設置してもらえます。下地の状況に合わせてアンカーやネジを選ぶため、安全性もしっかりと確保されるでしょう。
【状況に応じた下地補強】
浴室の壁は、経年劣化によって強度が低下している場合もありますが、専門業者であれば必要に応じて壁の下地補強工事も行ってくれます。劣化状況や素材に合わせて適切な下地補強を行い、手すりを安全に設置します。
【安心のアフターフォロー】
施工後の保証が付いている場合が多く、万が一不具合が発生した場合でも安心です。DIYで取り付けた場合は、施工不良による不具合が発生しても自己責任となりますが、専門業者に依頼すればアフターフォローで対応してもらえます。
DIYを行う場合の注意点とリスク
DIYで手すりを取り付ける場合は、以下の点に注意が必要です。
【下地材や最適な金物のチェック】
壁の材質や下地材の種類を確認し、適切なアンカーやネジの使用が求められます。間違った金物を使用すると、手すりが外れてしまう危険性があります。
【取り付け強度の確保】
手すりがしっかりと固定されているか、十分な強度があるかを確認する必要があります。取り付け後に、手すりに体重をかけてみて、ぐらつきがないか確認しましょう。
【工具の適切な使用】
適切な工具を使用しないと、手すりが破損したり、構造部分へ漏水したりする恐れがあります。必要な工具を事前に揃え、使用方法をしっかりと確認してから作業を行いましょう。
DIYでの取り付けは専門知識や技術が必要となるため、少しでも不安がある場合は専門業者への依頼をおすすめします。安全性を最優先に考え、無理のない範囲でDIYを行うようにしましょう。
設置後のメンテナンス
手すりを長く安全に使用するためには、定期的なメンテナンスが大切です。
【清掃】
定期的に手すりを清掃し、汚れや水垢を除去しましょう。浴室用洗剤を使用し、柔らかいスポンジなどで優しく洗います。研磨剤入りの洗剤を使用すると、手すりの表面を傷つけてしまう可能性があるため注意が必要です。
【点検】
手すりにガタつきや緩みがないか、定期的に点検しましょう。特に、使用頻度が高い場合はこまめな点検が必要です。ガタつきや緩みがある場合はネジを締め直すなど、適切な処置を行いましょう。
【補修】
手すりに破損や劣化が見られる場合は、速やかに施工業者へ補修または交換を依頼しましょう。破損したまま使用していると、ケガをする恐れがあります。
まとめ|手すり取り付けで安全&快適な入浴を
浴室に手すりを設置すると、転倒リスクが軽減され、安全で快適に入浴できるようになります。手すりの種類や取り付け位置、費用相場などを理解し、自身や家族に合った手すりを選びましょう。
専門業者に相談することで、より適切なアドバイスを受けられます。
「アクティホーム」は、お客様のニーズに合わせた最適なリフォームプランを提案する住宅専門のリフォーム会社です。浴室手すりの設置はもちろん、ユニットバスの入れ替えやバリアフリー化、水回りの介護リフォームにも対応しています。
経験豊富なスタッフが、お客様のご要望を丁寧にヒアリングし、安心・安全な施工を提供いたします。住まいのリフォーム・リノベーションをご検討の方は、ぜひお気軽にご相談ください。
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監修者:大島 秀介(おおしま しゅうすけ)
一級建築士・リフォーム設計専門家
株式会社アクティホーム 管理建築士
大阪工業大学建築学科を卒業し、一級建築士として数多くのプロジェクトを手掛ける。自身の建築設計事務所経営を経て、アクティホームに入社。住宅改修やリノベーションの専門知識を活かし、お客様一人ひとりのライフスタイルに合わせた住空間の提案を得意とします。環境や将来の見通しを考慮し、120%の提案でご満足いただけるよう心がけています。
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